【マレーシア】まさかただのお爺ちゃんじゃないとは知らずご飯誘ってみた
旅をしていると、
今日は誰かとご飯食べたい気分だな〜という時があります。
そういうことで、その辺をふらついてた
ヨボヨボおじいちゃんに声をかけてみました。
「どうも!一緒にご飯食べよう」
そのおじいちゃんはなんと
英語が話せなくて会話できなかったのに、
一緒に来てくれました。
すぐそこの、
気になっていた中華のお店に来ました。
私が選んでいる時も、食べている時も、
おじいちゃんはじっと私を見ています。
「あ、おじいちゃんもうご飯食べたの?」
「何も頼まなくていいのかい?」
やはり通じず、答えは返ってきまんでしたが
「おいしいねえ」と言いながら食べ続けました。
実際にほんとに美味しくて感動していました。
おかわりもしました。
すると微笑んでいたおじいちゃん、
ぬ〜っと席をはずすと、ノソノソ歩いて
棚から商品を取り出して持ってきました。
腕を伸ばして、じっと目を見つめて
無言でグイグイ差し出してきます。
「なあにこれ?私買わないよ。
どういうことなの?」
のけぞって困っていると、
店のスタッフの人たちがぞろぞろと
こちらに集まって来ました。
私「なんだなんだ」
するとそのうちの一人が教えてくれました。
「あんた、うちの店長と仲良くしてくれてありがとね」
「ん?店長???」
「そ。しかも、うちらスタッフ、
あんたのこと気に入ったんだ。
それ、めっちゃ美味しいから。
店長からのプレゼントってことで。食べてみてよ。」
「え??店長??あなたが?プレゼント???」
急いでおじいちゃんを振り返ると、
変わらず何も言わないまま
目をじっっと見て差し出しています。
「おじいちゃん!ここの人だったの!?
ありがとう!!」
ついにその肉まんのようなものを受け取りました。
早速手で割ってみると
中には溶けたチョコのような
ドロドロの黒いものが入っていました。
「ウワッなにこれ!!!
どうやったらこんな不気味な食べ物ができるんだ...
とんでもないものを受け取ってしまったわ
中華でチョコな訳ないしなあ」
せっかくもらったし食べてみるか
ぱく
その途端目が飛び出ました。
「なんっだこれ美味しすぎる!」
なんとこの黒い何かはチョコではなく、
煮詰めすぎてドロドロになった(?)角煮でした。
角煮と言ったら
茶色で四角いのしか知らなかったので、
真っ黒で角すら無いやつは初めてでした。
「なんだこりゃ!めっちゃ美味しい!!
おじいちゃんありがとう!!!」
店長「........。ガタ...」
店長は、去って行きました。
「あんた明日も来てよ!名前は?」
とスタッフの人たちに声をかけてもらい、
「私はフウ!ありがとう!明日も来るね!」
と言って、本当に次の日もまた
ここに来てご飯を食べました。
いいはなし。
読んでくれてありがとう!